1)身体因性うつ病
他の病気が元にあり、二次的に起こるうつ病です。
脳に気質的障害がある気質的うつ病や、感染症が原因の症状性うつ病があります。
また、病気で飲んでいる薬がうつ状態を引き起こすこともあります。
例えば、C型肝炎の治療薬であるインターフェロンや、全身性エリテマトーデスや慢性関節リウマチなどの膠原病の治療に使われるステロイド薬(副腎皮質ホルモン剤)、さらに血圧降下剤や経口避妊薬などが挙げられます。
2)内因性うつ病
個人の体質や遺伝が原因のうつ病です。
躁と鬱を繰り返す二相性うつ病や、高齢で発症する退行性うつ病があります。
原因のわからないうつ病を内因性に含めることも多いです。
3)心因性うつ病
強い精神的ショックなど、こころの状態が原因で起こるうつ病で、長期のストレスが原因の疲弊性うつ病や、神経症的うつ病などがあります。
また、ストレスなど外界からの刺激を受けたとき、脳の大脳皮質から分泌される神経伝達物質のひとつであるセロトニンの放出量が、何らかの原因で少なくなり、セロトニン不足が長期間続くとうつ病になると言われています。
うつ病の原因はまだまだはっきりとはわかっていませんが、少なくとも発病のきっかけや引き金となる心理的・環境的要因があることはわかっています。
例えば、マイホームの入手や転勤などがきっかけで起こるのは引越うつ病と言われ、いままでの生活環境や人間関係が変わることによるストレスの影響が大きいと言われています。
他にも、昇進がきっかけとなる昇進うつ病、子供の独立と更年期障害が重なった50才前後の女性に起こる空の巣症候群などがあります。
【うつ病になりやすい性格傾向】
うつ病になりやすい性格傾向があると言われています。
よく指摘されるのが、循環気質とメランコリー親和型と執着気質です。
循環気質(躁うつ性格)は、爽快(活発)と悲哀(緩慢)という2つの傾向を持ち、現実的で環境に順応しやすい性格と言われています。
メランコリー親和型は、几帳面で堅実、勤勉で責任感が強く、律儀で誠実、他人に気を配り世話好きといった性格です。秩序にこだわると言われています。
執着気質は、集中力があり凝り性、ものごとを徹底してやらないと気がすまない、正義感や責任感が強いといった性格です。